「結局、不動産って儲かるの?」
こんな疑問をよくお客様からお聞きします。
色々とご説明しますが、正直実感が持てませんよね。
今回は私が保有する不動産を売却したので、その実例をほぼ赤裸々にお話させて頂きます。
この実例をもって、色々とご判断頂けるのではないでしょうか。
- 不動産投資を迷っている
- 不動産投資の効果が疑問
- 正直ワンルームマンションってどうなの?
という方は是非、この記事を読んでみてください。
売るキッカケ
マンションを購入したディベロッパーから、売却の提案が来たので、話を聞き行ってみました。
しかし、金額としては思ったほど高くなく、「こんなものかな~」と感じてました。
一方で、じゃんじゃん「不動産を売却しないか」と業者から電話がかかってくるので、実際の相場はいくらなのか?
を調べてみることにしました。
不動産詳細
私が購入したマンションの詳細はこんな感じです。
※一部実際の数字から変更しております。
- 場所:名古屋市中区
- 間取り:1K 約20㎡
- 構造:鉄筋コンクリート
- 築年数:約10年
- 購入価格:14,768,000円
- 借入金 :14,600,000円
- 当初金利:2.1% (長プラ連動)
売り先を調べてみた
ワンルームの買主は、結局のところ以下の2社です。
- 中古ワンルームの買取業者
- 中古ワンルームの販売業者
理由は、個人で購入する場合、金利の低い提携ローンが使えないために、ほぼ現金で買うしかありません。
通常のローンもありましすが、提携ローンよりも金利が高く、利回りに対して、金利負けしてしまいます。
しかし、現金で買うのであれば、他のローンが使えないが利回りの高い不動産を購入するほうが合理的であり、ワンルームマンションは投資先に選ばれづらいためです。
買主探し
と、いうわけで買い取り業者を当たっていきました。
が、現状は名古屋の買取をしている買取業者さんは自力で見つけられませんでした。
くどいようですが、買い取りをしてくれるのは
- 中古ワンルームの買取業者
- 中古ワンルームの販売業者
です。
したがって、買い取った後は、転売されます。
転売後にある程度の利益が発生しないと、買い取る意味がありません。
市況的に、残念ながら名古屋の不動産の値上がりがあまり期待されていないようでした。
結局、中古ワンルームの販売業者をつないでくれる、仲介業者に頼りました。
素人よりも仲介業者のほうが、販売業者とのネットワークが多いので、ここは妥協しています。
売るときの手続き
売却の手続きとして、以下を行いました。
①売買契約
- 仲介業者を経由で契約書や委任状に押印
- 契約は電子で実施
- やっぱり買主さんは販売業者さん
②銀行への連絡
- 一括返済が必要になるので銀行に連絡
- 意外にも口頭の連絡で完了
- 後日、清算書が貰える
③登記の変更
- 登記を抹消する必要があるので、仲介業者経由で紹介頂いた司法書士事務所に連絡
- また、登記の住所が当時のものになっているため、この変更も併せて対応頂いた
最終的な収支
さて、気になる収支はどうでしょう?
- 売買価格:15,000,000円
- 仲介手数料:0円
また、売却時点での残債は以下です。
- 残債:11,367,084円※
(※内訳)
元 金:11,323,335円
利 息:107,749円
手数料:33,000円
登記費用:56,300円
なお、その他の費用として、こんなお金がありました。
- 固定資産税精算
- 管理費精算
- 家賃精算
- 室内清掃費
税金の計算
不動産を売却した場合、譲渡所得税がかかります。
この税金も計算してみましょう。
- 購入価格:14,768,000円
- 償却基礎:15,336,000円(差額は値引き分)
- 土地部分:7,668,000円
- 建物部分:5,674,320円(37% 耐用年数47年)
- 設備部分:1,993,680円(13% 耐用年数15年)
ここから、減価償却の合計を計算します。保有期間は123か月です。
- 建物の年間償却費:124,836円/年
- 設備の年間償却費:133,577円/年
- 合計の償却金額:(124,836円+133,577円)/12か月×123か月=2,648,733円
譲渡所得は売却価格-購入金額+減価償却-諸経費で計算されます。
=14,768,000円-15,336,000円+2,648,733円-56,300円
=2,024,433円
譲渡所得税は譲渡所得×15.315%
=2,024,433円×15.315%
=31,0041円
果たして、ワンルームマンション投資は悪なのか
以上から、最終的な収支は
売却金額⁻残債⁻税金
=15,000,000円-11,367,084円-31,0041円
=3,322,875円
と、なりました。実際には種々経費が掛かってますので、収支は結局約300万円程度です。
さあ、どうでしょうか?
「10年も保有して、たったの300万?」
という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、一方でその間
- 団体信用生命保険による保険の効果
- 原価償却による節税の効果
を、享受することができました。
従って、確かに大きな利益は得られないが、少なくともマイナスにはならず、恩恵も得られたということは言えるのではないでしょうか。
