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「バブル」とは何だったのか?昭和を振り返ることで未来が分かる


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「バブル」とはなんだったのか?

 

僕が本当に小さいころだったので、世の中の動きが良く分かりませんでした。

不景気で当たり前で育ってしまったので、

「そういう時代だった」

「あの頃は良かった」

で済まされ、あまり振り返られることはありませんでした。

 

さて、2018年現在、日経平均が23000円を超え、不動産価格も上昇しております。

 

この記事では

  • この状況がバブルの頃と、同じなのか?違うのか?
  • そもそも、なぜバブルは起こったのか?
  • なぜ、終わったのか?

が分かります。

 

これを知ることで、これから世の中がどう動いていくのかが、分かるかもしれません。

  • 投資をしたいと思う人
  • 経済について理解したい人
  • これから日本がどうなるのか知りたい人

は是非、この記事を読んでみてください。

高度経済成長は、なぜ起きたのか?


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「高度経済成長」って聞いたことありますよね?

バルブを知るには、その前の時代「高度経済成長期」についても学ぶ必要があります。

 

終戦後、日本の経済成長が始まったのは

1948年の朝鮮戦争が始まりです。

戦争は軍需品などの物資がものすごくたくさん必要になります。

そのため、日本ではたくさんの物資の生産が行われ、一揆に経済が成長し始めます。

 

朝鮮戦争終了後も、国内のインフラ整備などのたくさんの需要がありました。

なんと、1955年から1973年まで、日本の実質経済成長率は年平均10%を超えています。

 

これは、驚異的な数字です!!

今の中国や、インドと比べても遥かに早いスピートで、しかも20年近く経済が成長していました。

この恐るべき経済成長によって、1968年にはヨーロッパなどの先進国をごぼう抜きして、日本は世界第2位のGDPを誇るまでになりました。

なぜ、戦勝国であるイギリスやフランスすらも、あっという間に抜いてしまったのでしょうか?

それを理解するために、経済についてもう少し学んでいきましょう。

経済成長とはなにか?


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「GDP」って聞いたことありますか?

日本語では「国内総生産」といいます。

つまり、日本全体で一年でどれだけ生産が行われたか?の数字になります。

 

このGDPの数字で、その国の経済の規模を計ります。

 

じゃあ、とにかく工場などでたくさんの生産を行えば、GDPが上がっていくか?というと、それは違います。

 

もちろん、みんなが欲しいモノやサービスを生産しないと、スグに工場がつぶれてしまいますね。

 

つまり、生産を増やすには、まず「生産をして欲しいといいう要望」が必要です。

これを「需要」といいます。

 

需要が高まれば、それを満たすために生産を高めることができます。

生産を高めれば、GDPがあがります。

 

日本がNo2の経済大国になった理由


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ただし、生産を高めるには、たくさんの人に働いてもらう必要がありますよね。

 

しかし、1955年から1973年まで高度経済成長期に、失業率は2%を切っていました。

これは「完全雇用状態」と呼ばれる、超人手不足状態を意味します。

需要があって、作れば売れる状態なのに、会社は従業員を増やすことができないのです。

 

そこで、人が増やせない代わりに、機械や設備を導入したり、より効率的に生産ができる技術を開発したりすることで、生産を高めるしかありませんでした。

これを「設備投資」や「技術開発投資」と言います。

企業も国も、こぞってこの「設備投資」や、「技術開発投資」を行いました。

 

すると、確かに生産は高まるのですが、この「設備を製造してほしい」「技術を開発してほしい」などの、新たな需要が生まれます。

その需要を満たすためも人手が必要になります。

しかし、超人手不足は続いています。

 

そこで、更に生産力を高めるために、設備に投資して、技術開発をして…と、いくら生産しても需要が高まり続けるという、循環が続きました。

 

 

日本とヨーロッパの違い


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1955年から1973年までの経済成長率10%という驚異的な高度成長率は、この

  • 「生産能力を高めるために、投資をし続けることで、需要が創出され、それの需要を埋めるために、また生産能力を高める」

という循環によってなされました。

 

実は、同じようにヨーロッパでも、戦後のインフラ整備の需要があり、人手不足になっていました。

しかし、ヨーロッパでは、この需要を埋めるために、日本ほど設備や技術に投資することをしませんでした。

人手不足を補うために、移民を国内に受け入れて働かせることをしたのです。

従って、ヨーロッパでは、日本のような循環は生まれませんでした。

 

これが、日本とヨーロッパの決定的な差となり、特にたくさんの移民を受け入れたイギリスは、凋落していきます。 

 

この辺りは「イギリスがEUを脱退した理由」で書きましたので、こちらもご参照ください。

大きな転機はプラザ合意


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1973年のオイルショックでを経て、経済成長率は少し落ち着きます。

ただし、その後も2~6%の経済成長を維持します。

1980年代も失業率が以前として低く、企業が人材を確保するために、給与は上がり続けました。

この頃はなんとか社員を増やすために、会社が就活生を接待することも行われていました。

いい時代ですねw

 

1985年プラザ合意によって円高ドル安が進みます。

プラザ合意とは、当時ドル円の為替レートが1ドルが230円くらいだったものを1ドルが150円程度まで、円高ドル安にするこを合意したものです。

 

これによって、日本の製品は海外で売れにくくなり、日本の輸出企業は大きな打撃を受けます。

つまり、需要が減ったということですね。

 

これでは、設備投資や技術開発投資が減ってしまいます。

そこで、政府の銀合である日本銀行が動きます。

公定歩合(金利)の引き下げが行われ、お金が借りやすい状況をつくりました。

お金を借りやすくすれば、企業も設備投資や技術開発投資をしやすくなると考えたからです。

バブル期


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1985年日本電電公社が民営化され、NTTになりました。

NTT株の株を買った人は、株価の急騰から、大儲けしました。

富裕層が生まれ、個人の預金額が大きくなります。

また、株投資を始めるひとが増え、大手企業の株価がどんどん値上がりしていきました。

 

銀行は、預金を企業などに融資して利益を得ます。

したがって、銀行は企業に貸したいのですが、企業はあまりお金を借りてくれません。

株価が高いので、わざわざ銀行から借りなくても、株を発行すれば、資金調達ができるからです。

 

そこで銀行は、土地の所有者に低い金利でマンションやビル建設のための融資を行いました。

どんどん不動産投資が行われ、土地の価格が上昇し続けます。

 

この時代がいわゆる「バブル期」です。

株も土地でも、バンバン投資した人が儲かりました。

 

しかし、ご存じの通り、それが長く続くことはありませんでした。

バブルがはじけた理由


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不動産投資がどんどん行われた結果、土地の値段が異常に高くなってしまいました。

土地が高くなり過ぎで、役人が家を買いたくても、高くて買えなくなってしまいました。

 

困った役人は、地価を下げるために以下の3つの政策が行います。

  1. 銀行から不動産業者への融資を一時的に禁止
  2. 固定資産税(土地等にかかる税金)を上げる
  3. 公定歩合(金利)を上げる

まず、1によって、不動産業者が土地を買えなくなります。

当然土地の値段が下がりますね。

 

さらに、2によって、土地を取得したいという人が減ります。

さらに土地の値段が下がりますね。

 

加えて、3によって、お金を借りて土地を買いたいという人が減ります。

この土地に対するトリプルパンチによって、一揆に土地の値段が暴落します。

 

土地を担保にお金を借りていた地主はお金を返せなくなります。

その間、借金返済のため、株もられるため、株価も急落します。

回収できなかった銀行も潰れ、高金利の商品販売を行っていた、証券会社や保険会社も潰れていきました。

 

資金は借金返済に使われるため、みなお金を使わなくなります。

つまり、需要が減っていきます。

需要が減ってしまえば、生産を縮小せざるを得ません。

こうして、日本の経済成長は終わりを告げるのです。

20年以上も不況が続いたのはなぜか?


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そこから20年の歳月が経ちましたが、

未だに日本は経済成長が再開しません。

 

経済成長を起こすには、どうすれば良いか、もうわかりましたね。

そうです。

「需要」です。

 

民間の需要が落ち込んでしまった時は、国が需要を作るしかありません。

しかし、日本の経済政策は「公共事業費の縮小」をしています。

1998年15兆円ほどであった公共事業の予算が、2011年には5兆円ほどまで削減されました。

 

これでは、生産が増えず、経済成長が行らないのは無理もありません。

 

また、最近では移民の受け入れを進めていますね。

これはでは、民間も設備投資や技術開発投資をしようとも思いませんね。

 

はっきり言って、平成にはいってからの経済政策は空振りを続けています。

「なぜ、うまくいかなかったのか?」

をしっかり振り返って反省し、次の政策に活かしてほしいのですが、なぜか我が国は「振り返って反省する」ということがとても苦手です。 

歴史を知って、これからに活かす


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このままで良いのでしょうか?

という暗い話で終わってしまうのですが、良いニュースもあります。

 

少子高齢化は、当然「需要の高まり」と「生産能力の不足」を意味します。

どうても生活にお金のかかる高齢者が増えて、たくさん生産ができる若い人が減るからです。

これは一見ピンチに見えますが、そうではありません!

 

これを移民に頼らずに、AIなどに設備投資・技術開発投資を行えば、高度経済成長のような循環が生まれる可能性があります。

 

そういう意味で、日本は今大事な転換期を迎えています。

 

経済を理解して、正しい選択を自分で考えることは非常に大事なことす。

この記事を読んでいる人は、殆どの方が将来も日本に住み続けることになるはずです。

豊かな日本になるのか、そうでないのかは、民主主義の日本では我々が決めることになります。

 

どうか、この記事をキッカケに、将来について考えてみることをお勧めします。

ひとりで考えるのが難しければ、是非当社の勉強会にお越しください。

きっと、あたにとっても大きな転換点になるかもしれません。